2015年9月4日金曜日

【あおなごコラム112%】あおなご解放論のキーワード

劇団うさぎ112kgの連載、【あおなごコラム112%】二回目。

こんにちは、あおなご演出の工藤です。
先日、とうほく学生演劇祭2の演出インタビューを受けてきて、
作品について尋ねられました。
そのときにしゃべったことや、作品について考えていることをまとめました。
ぜひ、「あおなご解放論」を観る前に読んでみてね。

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あおなご解放論について。

この作品は、姉妹と母親の話です。
キーワードは、「姉妹」「ふるさと」です。

一つ目のキーワード「姉妹」
家族をテーマにしている…かというと、
実はそうでもなく、家族というよりは、姉妹に焦点を当てています。

現代では稀にみるかもしれない5姉妹の設定です。

母のプレッシャーから逃げた長女。
期待に応えられなかった次女。
望みを越えすぎる三女。
母に屈しなかった四女。
悟っていた五女。

こんな感じ。
家族というより、姉妹の結びつきの強さを感じます。

誰が主役ということも特になく、
ご覧になるお客様自身が、5姉妹の誰かに移入できたらそれでいいと思います。
あなたはどのタイプかな?


二つ目のキーワード「ふるさと」
学生演劇祭に劇団うさぎ112kgで参加するにあたって、
「東北」を盛り込んでみたいと思いました。
座組みの女優も、東北美人を集めてきたので(…)
といっても脚本書く私も青森県出身、大学で県外に出たとはいえ仙台住まいで、
外側から東北を眺めて書くことはできませんでした。

東北から出てはいないものの、物理的に距離のある東北。
ましてや、私の出身の津軽地方は、
同じ東北地方でもまるで文化が違い、特に言葉が違い、
仙台に来てから演劇を始め、方言矯正に苦労しました。

地方から都会に出て長く暮らしていると、方言を喋れなくなってしまう、忘れてしまう人もいる。
成人式などでそんな友達に会ったときは、
「~ただ、都会の絵の具に染まらないで帰って♪」
「恋人よ 君を忘れて変わってゆく僕を許して♪」みたいな、
木綿のハンカチーフ的な寂しさを感じてしまいました。
この感覚は高校時代にはなかなか味わえなくて、
大学に出て、友達が全国いろんなところにちりぢりになる過程を経て経験できるものです。

いまでこそSNSが発達して、Facebookとかで
昔の友達と簡単につながることができるようになったけど、
実際に会ってしゃべって感じるものは、SNS上とはまた違うものがあります。

演劇も似てて、
生で実際に観て、感じるものは映画とかテレビドラマとは違うんじゃないかな、と思います。
ぜひ一度演劇を生で観てみてくださいっ。

で、
話それたんですが、
地方から都会に出て暮らす、というのは、
「あおなご」では長女と三女が該当します。
県外の大学に進学する、という設定です。
東北だと、大学も少ないから、志望する分野が身近になかったりすることも多くて、
県外の大学や専門学校に進学することも少なくないような気がします。

地元から離れて大学・社会に出た人から、ふるさとの匂いが薄れていく寂しさとか、懐かしさも、「あおなご」の見どころです。

ふるさとの匂いが薄れても、帰ってくるところは、やっぱり地元なんですよね。
そして、「母」に源流がある。
「姉妹」という支流がある。
川みたいなイメージです。
だって、あなごじゃなくて、どっちかっていうとうなぎだし。(うなとにー。)

うなぎって川なんですよ。
あなごは海です。


以上のキーワードを根底に、お話はすすみます。

そして、作品に含むエッセンスとして……
若い人の人生の可能性について描きたいと思いました。

「一日は人生の縮図」という言葉があります。
それならば、45分くらいが青春時代かなあと考えました。
だから、「あおなご解放論」45分の上演時間の中で、
"若い日の縮図"を描きたいと思っています。

表現的には、女の子の魅力を存分に引き出したい。
劇団うさぎ112kgのコンセプトは
「うら若き女性を主体としたあざやかな演劇」なわけですから、女の子を魅せなきゃ。
愛嬌とか、繊細な機微とか、美しさとか、醜さとか、
ヒステリックなところロマンチックなところ現実的で不安定なところ
姉妹の結びつきの中で、その魅力が垣間見えると思います。


作品のみどころを演出として、推してみました。
女優やスタッフに言わせるともう少し違うかもしれません。

劇団うさぎ112kg「あおなご解放論―From: Ms. Clambon」
【Dブロック】
9/9(水) 17:00~
9/12(土) 13:00~
せんだい演劇工房10-BOX
ご予約はこちらから
http://ticket.corich.jp/apply/66804/004/

ご来場お待ちしてます。へばまた!

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