少しだけ、後日談を紹介します。
あおなごは、5姉妹と死んだ母の話でした。
この話を思いついて、書き始めたのは5月の中頃で、
ちょうど、映画『海街Diary』(是枝裕和監督)が流行りはじめていました。
カンヌ国際映画祭で評価されたのが、そのくらいの時期。
海街Diaryは、3姉妹と、腹違いの妹が暮らしていく話でした。つまり4姉妹。
……ネタかぶってね!?
海街Diaryのあらすじを見たとき、
あおなごとコンセプト似てて、先にとられた!と思いましたし、
正直、あおなごが海街Diaryをパクったと思われるのやだなあ、と思いました。
しばらく敬遠していたのですが、
7月に仙台の小さい映画館で海街Diaryをとうとう観たんです。
フォーラム仙台。
ここで映画観るのは、前の年にリヴァー・フェニックスの特集上演していたとき以来でした。
早逝のシネマスター、リヴァーが大好きなんです。
『海街diary』に出演しているのは、
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず 他、です。
女優が全員主役を張れるレベルの顔ぶれなんですが、
それぞれに立ち、調和していたのですごく見やすい。
主役を見せるための演劇とか(商業演劇には多いかな?)映画ってよくあるんですけど、
『海街diary』は決してそうではなく、
女優を魅せつつ、作品を魅せていました。
映画から、"作品のみせ方"を勉強させてもらいました。
目指したい雰囲気にも近くて。
パンフレットも買いました。
是枝監督が特集されていたSWITCHも買いました。
そのくらいはまってしまいました。
こんな美人姉妹いたらたまらんな……。
作っていく作品の雰囲気の共有として、
早い段階で、既成の近い作品を鑑賞しておくのは有効だと思います。
前作ナイチンゲールのときは、映画『17歳のカルテ』『シャッター・アイランド』を、
稽古初期の段階でメンバーにおすすめしておきました。
役者、スタッフは誰しもが演出とツーカーなわけではないので、
演出が言葉として伝えきれない部分を、参考作品が補完してくれるんです。便利。
私はよく映画を多用しますが(ライトに観られるから)、音楽とか小説でもいいと思います。
さて、お客さんから感想をいただいたときに、
海街Diaryとは言われませんでしたが、、、
ホームドラマ感がある、とコメントしてくださった方がいました。
『てるてる家族』(かつてのNHKの朝ドラ)を思い出した、なんても言われました。
ホームドラマといえば、向田邦子でしょう。
『阿修羅のごとく』が好きです。この作品は、4姉妹の話ですから、あおなごとも親和性が高い。昭和のホームドラマ感、あたたかみが私は好きで、
また、演劇祭に参加するということで
様々な層のお客さんに向けて観られるようにしたいと思って、
あおなごは現代設定でしたが(AQUOSあるし)、向田作品の雰囲気を参考にしていました。
『海街Diary』をはじめ、あおなごにも共通させたかったことは、
お客さんとの"共感"でした。
チープな物言いをすると、「万人受け」と称されるのだと思いますが、
あおなごは多くのお客さんに楽しんでいただきたい一心で、
今の劇団うさぎ112kgにしかできない作品となりました。
今回はこのくらい。
いろんな後日談があるので、また書きます。へば。
おまけ
長女:イチコ役のおっちゃんは"綾瀬はるかがうさぎのマネをする"モノマネばっかりしていた。
にらめっこ強いんですよ彼女。ジャッジかまけん。
